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移民受入人数削減は技術者不足を招く

2010年9月15日

オーストラリアのアナリストによると移住者数の大幅な削減が国内の技術者不足を悪化させ、資源産業の様に新たなブームにより賃金の高騰を招く可能性があるとの発表がありました。
住宅建設産業では慢性的な労働供給不足と住宅産業に対して不向きな移民政策に不満を持っているとの事です。また目標としている移民数が、労働人口を維持するのに十分ではないとの分析もあります。住宅産業協会(HIA)チーフエコノミストのハーリー・デール氏によると、「労働力不足が深刻なのは疑いようもない事実」であるとの事です。

昨年までは多くの産業が不況から回復しようとしていた流れにより、労働力不足がそれほど緊急な問題ではなかったが、現在では労働力不足が深刻であるという問題が至る所に見られるようになっている。
事実HIAが最近行った統計によると6月の4半期決算では13個あった住宅取引の内、8つが供給不足でした。またデール氏は効率的にスキルのある労働力を提供する事が、今後の課題になるというコメントを行いました。
「需要が上がると度重なる労働力不足を起こり、強いては特に西オーストラリア州とクイーンズランド州では06年から08年の初めまで続いていた賃金の高騰化を招く可能性がある。」との事です。

オーストラリア統計局(ABS)により発表された調査によりますと、新たな資本投資は6月の四半期決算では減ったが、来年以降の投資計画は依然として活発の事です。
採掘関連の投資はここ1年で40-50パーセント増加するとの予想があります。
エコノミストのクレイグ・ジェームズ氏によると、ここ10年半以上の移住者数の大幅な減少と労働市場が収縮した関係により、資源業界での賃金値上がりの圧力が強くなってきているとの事です。ジェームズ氏はここ2-3ヶ月、移住者数が急激に減少しているとのコメントをしました。これは16年で見た長期移住数の推移だと、もっとも急激な減少との事です。

ABSが行った8月上旬の発表によると、オーストラリア国内に永住もしくは長期滞在している移住者数が、31パーセント減少の232,680人に達しているとの事です。
これは前年度と比較した場合、10万人も移住者が減少している事になります。
「長期永住目的での移民者数という意味では、これはもっとも急激な減少です。」とのコメントをジェームズ氏はしています。

また「これは恐らく世界不況により、労働市場が停滞した事実もあるかもしれない。」とのコメントも行っています。
採掘業スタッフの間で大きな需要があり、この賃金の上昇は西オーストラリアを平均賃金が最も高い州にしています。

現在の移民政策は技術のある労働者の移住に大きく偏っています。
しかしながら、別のABSによる統計によりますと、人道的な理由による移住者は技術による移住者よりも、肉体労働者として働く可能性は高いとの事です。

ほぼ30パーセントの人道的プログラムの移住者は肉体労働者として働き、残りの18パーセントの移住者は技術者として働いているとの事です。またある報告書によると、人道的プログラムによる移住者と比較した場合、技術のある労働者はマネージャーや専門職として働いている割合が高いとの事。

2006年統計資料によると、これらの人道的プログラムに移住者は天然資源の多い西オーストラリア州に魅力を感じるケースも多いとの事です。
「全体として30パーセント以上の移住者数減少は、考慮すべき事項。」との発言をデール氏は行っております。
目標としている移住者数に達しないという事は、国内で必要としている労働者数を維持できないという事も意味しています。

もう一つの挑戦は住宅業界を考慮した移民政策を作る事です。
HIAは現在どれくらい住宅産業が労働力を必要としていて、減少している海外からの移住者がオーストラリア国内で新しい住宅を必要としているか、モデル計測をしているとの事です。オーストラリア国内での住宅需要は年間19万戸だが、HISのモデルによると今後10年間に必要となる住宅は47万戸との予測が出ています。

(出典:2010 AAP)